第三話
八咫烏(ヤタガラス)
2010-7-17 
 2010年FIFAワールドカップ南アフリカ大会はスペインの初優勝で幕を閉じた。日本代表チームもワールドカップ前には予想もしなかった快進撃を見せ、日本に感動を与えてくれた事は記憶に新しい。サッカー日本代表のユニホームには三本足のカラスが描かれていることは皆さんもご存知だろう。この三本足のカラスはJFA(日本サッカー協会)のシンボルマークでJFAの説明では中国の古典に出てくる三足烏(さんそくう)と呼ばれるものと言われている。しかし日本には古来、神武天皇を勝利に導いた熊野地方に伝わる八咫烏(ヤタガラス)と言う神鳥がありJFAのシンボルマークはこの八咫烏をイメージしたものとも言われている。はたして本当の事は分からないが、三足烏と八咫烏の事を少し調べてみた。
 
 
三足烏と八咫烏
 
■三足烏(さんそくう)
 中国の古代神話に登場する三本足のカラス。古代の中国では、太陽はカラスの姿をしていると考えられていたそうだ。またカラスは太陽そのものではなく、太陽を乗せて天空をかける鳥であるともいわれていた。

■八咫烏(ヤタガラス)
  ヤタガラスは『古事記』『日本書紀』に登場するもので、神武天皇の東征の時に天の神から使わされ、このヤタガラスの導きによって大和平定を成し遂げることが出来たと言う話である。ヤタガラスは熊野の神々の使いとされ今でも那智山を初め多くの神社でこのヤタガラスの紋を見ることができる。現在神社で見られるヤタガラスは確かに3本足であるが「古事記」には3本足とは出てこないそうだ。
 
JFAのシンボルマークは三足烏、八咫烏?
     
 JFAシンボルマーク   八咫烏   三足烏
  
 もともと3本足とは書かれていなかった八咫烏は現在では3本足で描かれている。古来中国から伝わった三足烏が時を経て何時しかイメージが重なって八咫烏も3本足になったのかも知れないね。
 ところでJFAの3本足のカラスはどっちなんだろう。JFAの説明には下のように書かれている。

「ボールを押さえている三本足の烏は、中国の古典にある三足烏と呼ばれるもので、日の神=太陽をシンボル化したものです。日本では、神武天皇御東征のとき、八咫烏(やたがらす)が天皇の軍隊を道案内をしたということもあり、烏には親しみがありました。」(JFA公式サイトより)

 まあこれを読む限りは三足烏と書かれているが、後半の文書は何だかはっきりしない言い回しだ。最初は後半の文書は無かったようで、クレームが来たから付け加えたようだ。

 ヤタガラスがシンボルだと言う根拠に、日本に初めて近代サッカーを紹介した中村覚之助氏の出身地が和歌山県那智勝浦町なので、この地にゆかりの有るヤタガラスがシンボルになったと言うのもまんざらウソではないだろう。でも、ヤタガラスは熊野地方の神社の神鳥だから、JFAも簡単にヤタガラスだとは言えなかったのかな。まあシンボルマークが三足烏なのか八咫烏なのかどちらでも良いが、次回ワールドカップでも日本代表チームの快進撃を期待したいものだ。
 
 
  

 
 
 

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